「Glycyrrhiza glabra」

Glycyrrhiza glabraーリコリスは内的探究をするタロットカードでは「隠者」に対応するハーブです。意識が内側に向き、自分の中に真実を求めているその人の手には小さな光が灯されています。その人は沈黙しますが、その光は周囲の人々に対して温かい希望のあるものとして伝わるでしょう。

以前より月のリズムに合わせて活動することが早く感じていて、変化させようと思っていたのですが、先に体調の変化があり(手術なども経て)、今年は星読み調合をはじめとしたお相手がいてのエネルギーを受け取って循環させていくハーブの調合はお休みさせていただくことになりそうです。

好きなことなだけに、できなくなることは歯痒いですが、これも「宇宙休み」と呼んで受け入れました。身体と心を大事に、まずは自分に向けてハーブとお付き合いを深めていこうと思います。「隠者」の姿は励みになります。きっとあるとき潜っても、また形を変えてか、芽が出てきてくれることでしょう。

また時間が経ってから急にできるようになるかもしれませんが、その時はまたお声がけさせていただきますのでどうぞよろしくお願いいたします。

ご報告が遅れましたが、先日NARDのアロマアドバイザーの資格を取得いたしました。前よりも化学的に精油について理解が深まりました。これも身体が元気になったらまた何か伝えることに変えていきたいと思います。

まずは蝋燭がいいかな。何でもそうですが、少しずつ出口を作ってあげると物事はうまく進みます。

今日はライオンズゲートが開いた状態での新月だそうです。ひっそりと、始まっていく感じ。

新しいあなた。

新しいわたしたち。

少しずつ、目に見えない内膜を回復させて。

また新しい生命やエネルギーを循環させていきましょう。

鳥が寝静まる頃、心地よい沈黙と瞑想の夜を。

「Sambucus nigra」

Sambucus nigraーエルダーフラワーは西洋ニワトコとも呼ばれ、金星を支配星に持ちます。明るく空気のように軽やかな風のエレメントの性質を持ち、重苦しさや停滞を軽くさせ、心と魂を開いてくれます。これから春にかけての花粉の時期の前にネトルと合わせてとると、予防に役立つということは植物療法のなかでも有名です。

立春を過ぎ、もう花粉が飛び始める時期なので、早い方は冬の間からハーブを取り入れていらっしゃる方も多いです。

ネトルやエルダーフラワーを中心にブレンドされたものを選ぶのがオーソドックスですね。解毒としての春季療法ならば、エルダーフラワーとネトルの他に、ダンディライオンやオオバコなども取り入れるのがおすすめです。濃いめに抽出して、コーデュアルやシロップを作ってみるのも楽しいです。

気温が春に向けて、行きつ戻りつしながらどんどん暖かくなってきます。この時期は、身体もどんどんお花のように開いていくので、冬の間にめぐりが悪かったところに毒素が回りやすく、痒くなったり、だるくなったり、色々不調も出やすいのです。

そういうわけで、今日はおうちで楽しめる春のハーブ選びのコツの話をしましょう。

春は大きく分けてふたつ。

*お掃除して軽くするグループ

*気持ちの揺らぎを整えるグループ

を意識するのがおすすめです。

*お掃除して軽くするグループ

エネルギーが軽かったり繊細なハーブは、それ自体の重さも軽いものが多いです。体だけでなく心と魂まで軽くしたり、元気づけてくれるハーブたちです。

・エルダーフラワー 一番軽く、風のエネルギーを持ちます。心まで軽やかに浮上させてくれます。

・ネトル 強い火のエネルギーを持ち、パワフルなハーブです。冷えた心身と魂に熱を与えます。

・ホーステール 地のエネルギーを持ち、地に足をつけることを促すので、瞑想にも向いています。

この3つのハーブは血を綺麗にする働きがあり、老廃物やウィルスを体外へ排出するのにも役立ちます。春の毒素が回りやすいときに、体内をまず巡回して浄化してくれるのです。それぞれエレメントの質やチャクラが違うので、パッケージや小瓶に入った姿をぱっと見てご自身にとって気になるものを選んでみましょう。

*気持ちの揺らぎを整えるグループ

春は外界の急な変化や、社会的な変化で自律神経系や内分泌系にも影響が出やすい時期です。そんな時は2週間くらい継続して取りたい精神をサポートしてくれるハーブたちです。

・ローズ 愛のエネルギーに満ちたハーブです。悲嘆や憂鬱な気持ちも、優しく包み込みます。冷やす働きが強いので、浸出液を冷やして目元にコットンパックすると、目や神経の疲れが和らぎます。

・リンデン 鎮静の働きや発汗・利尿作用がよく知られますが、人にエネルギーを分け与え過ぎてしまう人や、そういったお仕事をして消耗をしている人には特におすすめです。自分に意識を集中させることを助けます。

・セントジョンズワート 先が見通せない中で、光やヴィジョンを与えてくれるハーブです。憂鬱さを一掃し、固く乾いた心に血を通わせます。 

(注意事項:セントジョンズワートは有用な植物ですが、特定のお薬の働きを阻害する恐れがあります。詳細はこちらの記事を参照ください)

どのハーブにも鎮静の働きがあり、やはりそれぞれ個性的で、使うシーンも異なるでしょう。

キホンは香りや色や飲んだ感じなどで、繊細に変わっていく身体とハーブとの相性を感じていくのがベストです。毎日作るのももちろん良いですが、3日分くらい作って少なくなってきたら身体や心の様子をみて必要なハーブを継ぎ足すというのも良いですね。秘伝のタレみたいに。

書いてあることはあくまで情報の一部なので、参考程度にされてください。アロマトリートメントと一緒で、ご自身にピンとくるハーブを五感で選ぶのが一番大切です。

例えば、不安で落ち着かないときにグラウンディングをさせてくれるハーブを取ることで、地に足がついて落ち着き、気持ちが楽になることもあります。生活の中で、自分の状態を見つめることによって、バランスが見えてきます。

ハーブは傾いているバランスを整えることが得意なので、今の自分を見つめるという習慣がつくのも自分で調合することの良いところかもしれません。

大きく味の変化が欲しいときはほうじ茶や紅茶などとブレンドしても美味しいです。私は最近は自分用に、ほうじ茶とクロモジとセントジョンズワートをブレンドしたものをベースにしたものを好んでいます。(日によりネトル入れたり、しょうが入れたりetc)

今回は春のおすすめをピックアップして書いてみました。単品でも良いですが、2、3種類合わせても奥行きが出て良いですね。

なんだか暖かくて気持ちの良い朝はエルダーフラワー&ローズとか、

元気出して動きたい時はネトル&ホーステール(&しょうがや紅茶)とか、

モヤモヤして眠れない時はリンデン&セントジョンズワート(&カモミールやレモンバーム)などなど・・・春のハーブ選びの目安になれば幸いです。

上記のハーブ以外でも、どうぞ楽しんで、ご自身のお気に入りを見つけてみてください。

「Astragalus membranicus」

Astragalusーオウギは欲求をはっきりとさせるのに必要なエネルギーを増やす助けをします。それは、思考と現実を創造することの間にあるギャップの橋渡しを助けます。自分の人生の体験を消化・吸収する能力を増加し、そして、夢うつつで地に足が着かない傾向を調整します。このハーブは強力な守護のハーブで、自分の周囲のオーラをより強めるのに使うことができるでしょう。

『ハーバルタロット』魔術師 の頁 マイケル・ティエラ著

オウギは水星を支配星に持つハーブで、何かクリエイティブな表現をする段階に来ている人、人に伝えることを仕事にしている人、あるいは天から何かメッセージを受け取る時期に来ている人によく現れる傾向があります。

sanagiのお客様には、表現をする方、伝える方、水星(知性、伝達、コミュニケーション)が発達されている方、海王星(無意識、宇宙、夢)からのアクセスが頻繁な方、冥王星(太陽系の外の強いエネルギー)からの影響が月(日常の感情や体調への反応)に顕著に現れている方も多くいらっしゃいます。そういった方々に共通して、オウギは備えておくとお役に立てるでしょう。

私、誕生仏が好きなのです。東大寺や、博物館でたまにお見かけする、小さな小さな仏さまなのですが、天を指さし、地を指さすその姿はオウギに対応する魔術師の姿と似ています。

自分と世界の境界をはっきりとさせ、天と地をつなぐ経路になるように、地に足をつけ天からインスピレーションを受け取るということは、イメージを純粋に現実化するために大事なことなのかもしれません。

なんだか気があがる。落ち着かない。耳鳴りがひどい。頭が重い。目が疲れる。そんなときに、オウギは気をおろして大地を感じさせてくれます。味はほんのり甘味があり飲みやすく、レモンバームやスカルキャップとのブレンドもおすすめです。太衝という足のツボにお灸をするのも、気持ちが良いですので合わせてどうぞ。

似ている人たち。そして太衝

ハーブたち、皆様のおかげでバラエティ豊かになっています。美味しい主役級のものももちろんいますが、中にはとてつもなく苦かったり、個性的なものもいるので、調整はしておりますが、びっくりする方もいらっしゃるかもしれません。苦いやつ、臭いやつ、酸っぱいやつ・・・。その個性には理由があり、働きがあります。身体へのアプローチが特に強いですね。解毒、浄化、調整などなど。驚かせたらごめんなさい。確かに、お役に立ちたいと集まったハーブたちです。クセが強いやつがきても、暖かく迎え入れてくださるかたばかりなのでありがたいです。

冬から春にかけてが解毒の時期だからか、最近苦味のあるハーブの出番が多いので、ひとことでした。

「Scutellaria lateriflora」

Skullcapースカルキャップは天王星を支配星に持ち、風のエレメント、水瓶座に対応します。1781年に天王星が発見されるまで、伝統占星術では水瓶座は土星が支配星であるとされていました。

Yuleー冬至

12月21日19:02ごろ、北半球は冬至を迎えます。sanagiの場を開いたのも、2019年、ちょうど一年前の冬至です。はじめは、月の時間を実感するために、新月と満月の星を読んでいました。春分の前にはnoteでサビアンシンボルのカウントダウンをしてみたり。(日本語のタイトルの「宇宙的な形象化原理」の日はプレビューが多いのですが、ただただ長文を読ませてしまい、申し訳ない気持ちです)年が明けてからは、東京鳥越蔵前のdoremifaさんで初めてお客様にsanagiの名前で調合をさせていただきました。その後に、緊急事態宣言が出て、仕事もsanagi apothecary一本になり、心と身体のひらめくまま、あっという間でした。一年たち、思うのは、ハーブを調合できていることがとてもありがたいということです。SNSの更新頻度も低く、外から何をやっているのかいまいち不透明な物に対して、興味を持ってくださるお客様がいて、関わってくださることが、拙い文章を読んでくださることが、いつも私の心を打ちます。形がどんどん変わっていくとは思いますが、感謝の気持ちをハーブを使った形にしてお返ししていきたいと思います。本当に、ありがとうございます。(と、この奥まったブログにて呟きます。)

さて、私ごとの詰まった文はここまでで。

Yuleユールというのは、冬至の祝祭のことを言うそうです。

大地の女神から太陽の男神が再生することをあらわしています。憂鬱な冬季に、喜びと祝いのひとときをもたらします。

『魔女の教科書』S.カニンガム著より

キャンドルを灯して太陽に対応するハーブを中心にして召し上がるのもいいですね。ジャーマンカモミール、カレンデュラ、ジュニパー、ローズマリーなど。これらをとると、自然と胃腸、自律神経、肝臓、腎臓、血液循環など身体全体をケアしてくれるようになっているので不思議です。身体と心のメンテナンスに良いですね。ここから太陽の、あるいは地球の新しい1年の周期がはじまります。

大会合

12月22日02:41ごろ、水瓶座(黄経0.48°)で木星と土星が重なり合う、グレートコンジャンクションが起こり、占星術やスピリチュアル界隈では大きく注目されています。水瓶座のハーブといえば、最初に思い起こされるのがスカルキャップです。

XVII The Star
<水瓶座 Skull cap>
(ハーバルタロットより)

スカルキャップは星のカードとしてしばしば現れます。だいたい、その方に瞑想を勧めてきているときです。このタイミングで瞑想をすると、自分の心の中のインスピレーションが夜空の星のように光って浮かんできてくれるのです。大地から生えた大きなスカルキャップはいつでも心を開く人に対して手を差し伸べています。また、こうした瞑想から受けたインスピレーションを大きな内的生命力の流れのなかに、創造性に変えて還していくことが自然であることも教えてくれています。

瞑想というのは、何もしないこと、受け流すこと、などと言われますが、スカルキャップは精神と心を鎮めるはたらきがあるので、平静を取り戻すという意味では瞑想の前以外に、感情が不用意に揺らぐ時や、眠る前に思考を手放すのにも良いでしょう。

薬物やアルコールの依存症の治療に使われたりもするハーブのうちの一つですが、レモンバーム同様、デジタルデトックスしたいときにもおすすめです。

次の大会合は約20年後の2040年10月31日18:32ごろ、同じ風のエレメントの天秤座(黄経17.91°)で起こります。今回の大会合は2040年までの社会を象徴する、始まりの日で、風の時代の始まりだというわけです。20年あったら子供が産まれて成人しますね。今月以降に生まれる子供たちは、エレメントが地の色が濃い社会の中で産まれた多くの方たちとは、社会環境や感覚、感性が全く違う大人になるでしょう。20年後は今より更に多様性が認められる社会になりますので、良いところは柔軟に見習いたいです。とはいえ、水瓶座は風のエレメントの中でも不動宮ですので、風のエレメントの影響が馴染んでくるのは2040年天秤座(活動宮)から2060年双子座(柔軟宮)の大会合にかけてになるでしょう。

この20年、初めの方は特に風のエレメントをぐっと取り入れ、長期的に定着させようと、ときには何度も地のエレメントとのギャップを埋めるために衝突するような出来事が起こったり、なかなか期待通りに行かなかったりするでしょう。また、社会全体で理想や目標に向けて一人一人が課題に取り組むことが流行るかもしれません。地球のためとか、個人の権利のためとか、多様性のために動く姿勢が流行します。これは地球や人類規模で変革をもたらす天王星が、社会や概念の変化をもたらす土星と木星の大会合が起こる水瓶座の支配星だからです。集合意識や多くの国、団体、企業などがそうした方向へ関心を向けると思いますので、自身の方向性を考えるときに頭のどこか片隅に星のことを置いておくと、なんとなく目に止まった流れが腑に落ちるかもしれません。

例によって長々となりましたが、自然な流れに身を任せたいとき、スカルキャップは星の時流に合わせて快く力を貸してくれると思います。(ちょっと苦味が出やすいので、つどつど、他のハーブとも一緒に手を繋いで。)メディカルハーブとしては、PMSや神経過敏や不安を穏やかにし、心を上向きにするサポートに使われることがあります。(肝臓疾患や持病をお持ちで通院中の方、ご妊娠中や授乳中の方などは注意が必要です。)

今年は2020年12月21日の冬至から、2021年1月1日までのながーい年明けみたいですね。暖かくされて、良いお年をお迎えください。

「Verbascum thapsus」

マーレインは肺の熱と乾燥を冷やし、湿らせる効果があります。肺の細胞膜を整え、炎症を軽くします。全体的な鎮静効果もあります。感情面の効果として、眉間の(ブラウ・第6)チャクラを支配すると言われ、直感的なビジョンと関係があります。これは太陽神経叢(第3チャクラ)より1オクターブ高く、より高次のチャクラです。精神的な願望を司る「座」としての眉間のチャクラは感情に支配されより「高次の」衝動を理解できない人の場合は通常、覚醒していません。気分を上げる必要性を感じたら、ポットに入れたマーレイン のお茶をゆっくりと飲みながら自分の中にある神聖な面を再確認してください。」『ハーブ占星術』マーレイン の頁(p.204) エリザベス・ブルーク著

マーレインだけでお茶を入れると烏龍茶のよう、と表現されることがある。タンニンのせいか、とても飲みやすい味です。

ソードの4に対応する
マーレイン

第6チャクラ(ブラウとか、サードアイとも呼ばれます)は眉間のあたりにあるといわれ、体の部位では頭蓋骨の下部、脳下垂体を司るといわれます。

脳下垂体といえば視床下部から命令を受けてホルモンを分泌する器官で、ホメオスタシスのなかでも内分泌系のバランスを日々保ってくれています。

ストレスにも敏感で、私たちがストレスを感じると瞬時に視床下部に情報が伝達されて、交感神経とこの脳下垂体にも連絡が来ます。交感神経は脈が速くなったり、瞳孔が開いたりとすぐに表に現れるけれど、脳下垂体は比較的ゆっくり、けれど持続的に情報伝達をするようです。その伝達スピードに関して、交感神経は「電話」で脳下垂体は「手紙」と表現されたりします。持続的に何をしているのかというと、ストレスなどで傷ついた細胞を修復したりするのですって。

交感神経は「今」に反応しているのだけど、脳下垂体は「未来」に動き始めているように思い、第6チャクラに対応しているというのには納得です。ちなみに自律神経の交感神経は第3チャクラに対応していて、胃腸の働きとリンクします。ストレスは、胃腸とも関わりが深いですね。

ストレスケアには第3チャクラ、第6チャクラ、両方のバランス調整が必要です。

身体のバランス、ホルモンバランスが整うと、身体ー心ー魂が統合されて自分のことがそうでない時よりもわかるようになる、それを教えてくれているのがこのマーレインの項なのかなと思います。

身体のことを忘れてはいけないとやはり思います。身体と心のメンテナンスをしない状態で、魂を感じることはないかもしれません。天体の力を使うのも、身体のバランスを整えてこそ開かれるような。私見が過ぎましたが、思うようにいかないときは身体から診てみるのがよい気がします。ハーブもいつでも、力になります。

ハーブの産地

すごくいい香りのハーブに出会うと幸せになりますね。

今年のお気に入りはジャーマンカモミールでした。可愛らしい黄緑の額の、可憐な印象の。香りもまさにリンゴのよう。軽やかで、すきですね。

複数の仕入れ先の一つから、そのカモミールが姿を消し、昨年と同じ産地にロットが切り替わったのですが、今度は力強い黄色みの太陽っぽい方です。(それでも昨年より小柄)

いつもカモミールを買わないところでピンときて取り寄せてみたのですが、手元に届いたその子たちは間違いなく姿を消したカモミールたちで、とても嬉しくなりました。同じ農場かは問い合わせないとわからないですが、同じ国の限りなく近い生育条件の土地の味です。なんだかまたカモミールの話をしてしまいましたね。最近の嬉しかった出来事でした。

ハーブは出会いですね。一期一会です。

お店でピンときた子を購入してみるのも楽しいのでおすすめです。

「Melissa officinalis」

balm

「私たちの周りには環境からの強い刺激があまりにも溢れている。造形の氾濫、色の波、宇宙衛星放送、宣伝キャンペーンなどが私たちに流れ込んでくる。それらと一線を画し、固有の生活リズムに従って自分の中心を守ることは、ますます難しくなっているが、外面にとらわれず、内面的な価値を大切にして生きることだけが私たちの心のバランスと満足をもたらすといえよう。ごく簡素なものに美を見いだし、それを喜びとすることが、この巨大な消費社会では必要なのだ。」『天の香り』レモンバームの頁導入部より(p.97) スザンネ・フィッシャー・リチィ著

レモンバームというハーブは、植えてみるととても強く育ってくれる。ハーブティーとして使われる品種は表題の「Melissa officinalis」なので、園芸店などで見かけたら学名を確認してみてください。

note でも度々ご紹介しているように思いますが、本当に現代社会の人々にとっておすすめのハーブです。

スマホの見過ぎ、仕事での悩み、人間関係での悩み、考えることがたくさんで、体を動かせていない。頭が痛くて、パツパツになっている。そんなときにもいいです。そして、人に関わるお仕事(接客業やコンサルだけでなく、ヒーリング、カウンセリング、リーディング含めて)をしていて、色々と無意識のうちに受け取ってしまう方にも。

レモンバーム(メリッサとも呼ばれ、ギリシャ語で蜂蜜を意味します。)は木星を支配星に持つハーブです。木星は拡大や可能性の天体なので、アスペクトを取ると楽観を与えてくれたりスケールを大きくしてくれたりするんですね。

それなので、心配事で目の前しか見えないような辛い状態の時に、ふっと気持ちを楽にさせてくれるのでしょう。春や秋など、季節の変わり目のストレスによる自律神経の不調が多くなる時期に都会のハーブ屋さんにいた時もよく選ばれていました。ストレスを抱えているときは胃腸の調子も悪くなりやすいですが、レモンバームに含まれる揮発油成分は消化を助けたり、不安や緊張、落ち込みが原因の便通異常を整えるサポートをしたり、緊張などによる軽い頭痛のケアもしてくれます。

ラテンアメリカではtronji para la penaと呼ばれ、“悲しみによい芳香植物”という意味があるそうです。本当に世界中に生えて、人々を支えてきた植物なんですね。チャクラは生きる根源的な力や創造性に対応する第1、第2チャクラに対応していて、グラウンディングも助けます。瞑想の前後に召し上がるのもおすすめです。感情の荷物を解放し、創造性を取り戻したいときに選んでみてほしいハーブの一つです。

10月2日06:05牡羊座満月のハーブのレシピ

<Silver seeds”Live in the now”>

今月の最初の満月の銀の種の種明かし。

タイム1g

ジュニパー3g

ジャーマンカモミール7g

ダンディライオンルート7g

ローズヒップ2g

をよく混ぜ、小さじ2杯ずつ計量して1回分となります。

このグラム数で作ると5回分くらいは飲めるかな。

気に入ったら作ってみてくださいね。いくつかアファメーションをかけているのですが、一つ置いておきますのでこれもハーブに聞かせてあげてください。

今月末にはまた満月がやってきます。次回の銀の種もお楽しみに。

「私は喜びを持ち創造する。私はそれが結実するまで愛し、そして育む」

Mabon caring.(秋の養生)

冬至から始まったsanagi apothecaryの旅も、秋分を迎えもうすぐ一年。

秋分は古い魔法を使う人達にとってMabon(メイボン)と呼ばれ、収穫祭の名残であるそうです。

春から数えて二度目の収穫期であり、これから日が短くなり厳しい冬を迎えます。

今年の冬は人によっては待ちわびた新しい太陽を迎える時になるでしょう。

穏やかな秋の日には光に感謝し、冬に向け心の準備をしましょう。

秋の養生

秋は急に空気が乾燥し始め、気温もだんだんと下がってきます。外界の変化に身体や心が戸惑いを見せる時期でもあります。免疫を下げないよう、しっかり栄養と睡眠を取ります。

今回は秋に作っておくと便利なハーブとアロマのクラフトレシピをご紹介します。

Herb tincture ( ハーブチンキ )

ドライハーブやフレッシュハーブはアルコールに浸けておくと、有効成分の水溶性成分と脂溶性成分を両方抽出することができます。これをチンキ剤と呼びます。ハーブ:アルコール=1:5を目安に調合します。アルコールは内外使用できるのでウォッカやホワイトリカー、25度〜35度程度の米焼酎などを使用します。

<用意>

・広口のビン

(保存時は茶色やブルーなどの遮光瓶を使用します。)

・ハーブ(フレッシュ、ドライ両方可)20g(目安、今回は5倍量)

  • タイム…4g
  • セージ…6g
  • ペパーミント…3g
  • レモンバーム…3g
  • ヒソップ…4g

*上記はあくまで参考で、ハーブは適量を使う人の目的に合わせて変化させて大丈夫です。グラム数を5〜10倍量の中で調整しても風味が変化します。(タイムは強いので入れすぎない方が使いやすいです。)今回は風邪除けのためのうがいやマウスウォッシュにおすすめのレシピです。

・米焼酎…100ml(↓この辺りは食品店などにあるのでよく使います。)

六調子 米焼酎 25度 1800ml(5)

<作り方>
  1. 洗浄して乾かした瓶にハーブを入れ、アルコールを注ぎます。ハーブは完全にアルコールに浸かるようにします。アルコールが足りないようであれば少し足してください。
  2. 2週間、毎日1回瓶を軽く振って混ぜます。保存は常温〜冷暗所で行います。
  3. 2週間後、茶こしやコーヒーフィルターなどを使用してハーブをこし、遮光瓶に入れます。保存は冷蔵庫で行い、1年を目安に使い切ります。
  4. うがいの他、外出先で喉のケアやリラックスのために白湯やハーブティーに垂らしての飲用も可能です。

*保存瓶はこのようなスポイト付きが便利です。うがいなどで使用する時、コップ1杯の水かぬるま湯に対して1〜3滴ほどチンキ剤を加えます。

遮光瓶 Tコバルト100ml 金冠キャップ/スポイト付

<Herb tinctureの使い方>

小瓶に移し、旅行や仕事中にハーブティーを淹れることができないようなときや、急ぎのときに水や白湯などに数滴入れるのに良いです。あとは、帰宅した時のうがいに数滴。今からの時期は特にあると安心ですね。抗菌の働きをするハーブを選んでおけば、手軽に体を守ることができます。自分で作ることで、何が入っているかわかって安全に使うことができるのも良さの一つです。(ご妊娠中、授乳中の方などはアルコールが入っているので、飲用はお控え下さい。)

ご妊娠中、授乳中の方でも召し上がることのできるレシピ

これからの時期はお身体の調子が揺らぎやすくなるのに、なかなか病院にも行きにくかったりして不安があると思います。オンライン診療なども増えてきましたが、手軽にできる養生レシピをご紹介します。

ハーブティー(3〜5分ほど蒸らします)
  1. ペパーミント…小さじ1
  2. カレンデュラ(マリーゴールド)…小さじ1
  3. ブルーマロウ…大さじ1
  4. ジャーマンカモミール…小さじ1
  5. 白湯…400ml

上記は全て『メディカルハーブ安全性ハンドブック第2版』(という安全性に関する症例が載った分厚い本があります。)においてクラス1クラスAの適切な使用において安全とされているハーブです。

こちらもやはりハーブの量は適量で、お好みにより調整されてください。(カレンデュラは苦味があるので少なめにすると飲みやすいです。)ペパーミントは喉や鼻の熱感をとったりスッキリさせ、ブルーマロウは粘液質によって喉の粘膜を護ります。カレンデュラは乾燥によって傷んだ喉に抗菌の働きや粘膜の修復の働きが期待できます。ジャーマンカモミールにも消炎の働きがあることと、リラックスさせてくれることによって免疫を高める働きも期待できます。また、胃腸のケアも同時にできるハーブたちなので、食欲がなかったり、食べすぎているときなどにもおすすめです。(食欲の秋とも言いますので!)

ティートゥリーで感染症予防
Melaleuca alternifolia

ティートゥリー(学名:Melaleuca alternifolia)も優れた抗菌、抗真菌、抗ウィルスの働きが認められており、安全性が高いことが確認されています。精油は100%天然成分で、できれば成分表が開示されているものを使用してください。(プラナロムなど)最新の子供の口腔衛生のための臨床研究では、ティートゥリーオイルで作成したうがい薬で口内細菌の有意な減少が確認されたということで、マウスウォッシュとしての効果も期待できます。ただし、味覚に影響を及ぼす可能性もあるので、飲み込まないことと違和感があったら使用を中止することを厳守し、最低量を使用することが良いのではないかと思います。(精油の飲用はほとんどの協会で推奨されていません。sanagi apothecaryでも推奨しません。JAMHAではうがいは活用法として紹介しています。)

うがい薬として

コップ1杯の水、またはぬるま湯に対し、ティートゥリー精油1滴を混ぜてうがいする。

芳香浴で空気を浄化する

白湯を入れたマグカップやアロマディフューザーなどを用意し行います。

ティートゥリー…2滴程度

ユーカリ・ラディアタやラヴィンツァラ…1滴程度

以上の精油は風邪やインフルエンザなどの呼吸器系のケアに使われることの多い組み合わせで、芳香浴に関しては適量の使用下で乳幼児からお年寄りまで安全にお使いいただけます。

(備考ですがティートゥリーのみ、皮膚塗布において3歳未満の乳幼児や敏感肌には10%以下に希釈して使います。)

マグカップなどに白湯を入れ、精油を加えて、蒸気を口から吸い込むようにすることを蒸気吸入法と言い、精油さえあれば簡単にできるケアとされています。急に喉の調子が悪くなったときなどに良いですね。

また、sanagi apothecaryでも<The blessing tea>として秋の養生をテーマにしたハーブを調合することができます。お気軽にご相談ください。

それではどうか良い秋分をお過ごしください。

薬草と星

こんにちは、sanagi apothecaryの調合師です。ハーブティーなどを調合しています。

ここでは薬草の使い方、星読みと薬草の関係について書いていきます。

そもそも薬草、ハーブとはどんな代物を指すかを説明しますと、私が所属しているJAMHA(日本メディカルハーブ協会)では「生活に役立つ香りのある植物」のことを呼び、更に健康管理や美容を目的に活用する領域を「メディカルハーブ」と定義づけています。

カモミールは太陽が支配星で獅子座に対応します 

メディカルハーブの検定や資格取得の勉強の時にも歴史の頁で出てくるのですが、17世紀ごろにイギリスで活躍したニコラス・カルペパー(1616〜1654)という薬剤師は、ハーブやアロマ、そして占星術を組み合わせて独自の体系による治療を行っていました。日本にも少しですがハーブ辞典が翻訳されていて、ハーブが星と対応して人の体に用いられていたことが窺えます。19世紀に入るまでは薬草に含まれる有効成分を単離して科学的に薬剤を合成することができませんでしたので、正に自然薬や伝統医学の全盛期でした。

星を読むことは時間の流れや移り変わりの関係性を読むということです。そして、時間単位、年単位で螺旋状になって上昇/下降を繰り返しており、同じことの繰り返しや、前にもあった出来事から未来を予測できたりするので、集積の学問とも言われます。植物は地球の土の上で太陽や月の光によって育まれ、時間の経過によって芽吹き枯れていきますので時間や惑星は植物の友人といえるでしょう。惑星-植物-人間は時間で結ばれています。

現代のハーブは日本ではもちろん食品や雑貨の扱いで、お茶やサプリメントやアロマテラピーとして心身のリラックスとトリートメントの分野で親しまれています。医師、看護師、薬剤師、介護士などの医療現場の方々の間でも、近年は自然療法や植物療法を併用したケアが注目されることもあるようです。ハーブというのは面白いもので、現実的に手当ての補助として使うこともできれば、星やチャクラ(身体に対応したエネルギーセンターというふうにいわれます)などと対応して精神的な存在としても捉えることができます。そういうところは人間によく似ていて懐が深いですね。

sanagi apothecaryでもハーブを扱うときは人に対するように、また召し上がる人と向き合うように調合します。ハーブは現実的で精神的な生命体で、エネルギーです。乾いた喉を潤すのと同時に、心も優しく(・ときに激しく)潤してくれるでしょう。

 Chamaemelum nobile

プラナロム/PRANAROM 精油/プラナロム カモマイル・ローマン(ハンガリー産) エッセンシャルオイル【プラナロム 精油】

プラナロムのエッセンシャルオイルは香りが濃厚で柔らかいです。品質も良いのですが、成分分析表が入っていて安心できます。医療や介護の現場で使われるのもプラナロムの精油が多いです。お値段もしますが、このカモマイル・ローマンは爽やかで甘美です。眠れない夜に焚いたり、イライラ鬱々してしまう時にアロマバスに使うのもいいでしょう。(アロマバスに使うときは、お肌の刺激にならないよう、バスオイルやキャリアオイル、バスソルトなどを使ってくださいね)優しい香りが前向きな気持ちにさせ、元気を分け与えてくれます。

Matricaria chamomilla

カモミールティーと言ったら皆さんほぼほぼジャーマンを飲用しています。女性特有の痛みやお悩みの時に神経を鎮めてくれたり、胃腸のケアが得意です。 カモミールは始めたことが上手くいくように背中を押してくれるハーブでもあります。一番初めの記事なので、カモミールからスタートです。

不定期におすすめのケア方法や品物を紹介していきますので、たまに覗いてみてください。

*ワイルドクラフトは野生種とも呼ばれ、野生に限りなく近い環境で生育されたハーブなので、味も香りも濃いといわれています。天候などに影響を受け生育状態が変化したり、生産量も限られる稀少なものなので、その都度品質の高いハーブを卸し取り寄せるため、ロットにより産地にばらつきがあることが多いです。例えば昨年はエジプト産だったカモミールがクロアチア産に変わるとすると、液色も香りも性格が全く違ってきます。sanagi apothecaryでもワイルドクラフトを使用していますが、ブルガリア産のローズとモロッコ産のローズはかなり香りやメッセージが異なります。同じレシピでも厳密に言えば全く同じブレンドは作れないので、その時の出会いを楽しみにしたいですね。これは品質の高い精油にも同じことがいえます。そういう一期一会なところも、ハーブやアロマの魅力と言えるでしょう。